経験豊かな臨床心理士が常時3-4室のカウンセリングルームにて治療面接を行っております
カウンセリングというのは、精神的ストレス、様々な不安感、人間関係の悩みなど、来院されている皆様の心の問題を軽減し解決に導くための一つの方法です。安心できるゆったりした部屋でカウンセラーと話しながら、気持ちの整理をしたり、ご自身の内面を見つめたりする作業を行なっていきます。
カウンセリングQ&A
●実際にはどんなことをするの?
・・・まず、カウンセリングによって何を解決したいか、目標を決めます。カウンセラーは皆様のお話をじっくりと聴きながら、問題を明確化し、自己理解が深まるように促す関わりをしていきます。アドバイスをする場合もありますが、それが中心ではありません。ご自身が問題解決していけるように援助をしていくのです。また、お子様の場合には、玩具での遊びを通じて自己表出しセラピストと交流していくプレイセラピー(遊戯療法)も取り入れています。
●どんな症状に効くの?
・・・うつ病、不安障害、対人恐怖症、神経症など、様々な症状の方に適用されます。ただし、同じ診断名であっても、人によっても時期によっても病状が違いますので、お薬の治療を中心に行なうほうが良い場合もあります。カウンセリングは自分を見つめなおす作業なので、心のエネルギーがとても少ない状態で行なっては逆効果になることもあるからです。もし、皆様の方からカウンセリングを受けてみたいというご希望がありましたら、診察の際に医師にご相談ください。
●カウンセリングは長く続けないと効果が出ないの?
・・・1~2週に1回など頻度を決めて、継続して行なうのが基本です。1回のカウンセリングでも、誰にも言えない本音を話してすっとしたり、ずっと背負っていた重荷をおろして気分が軽くなったり、生活を楽にするヒントを得たり、という効果はあります。また、カウンセリングを受け始めたという安心感から、数回の面接で少し良くなったと感じることも多くあるでしょう。しかし、問題をきちんと解決し、心の安定を回復するにはある程度(数ヶ月~年単位、病状や解決したい目標により様々です)の期間が必要です。
出来事(状況)➔考え方(認知)➔気分、感情
同じ状況であっても、人の捉え方、考え方によって、気分が違うことを私たちは経験的によく知っています。しかし当事者は、意外に自分の考え方が自分を苦しめている事に気づいていないことが多いです。むしろ、自分の能力やその状況の厳しさ、運のなさなどばかり考えていることの方が多いようです。
認知療法では、自分の思考の特徴に気づき、それらの思考が、自分の気分や感情に影響を及ぼしている事を理解し、新しい考えを積極的に活用しながら、その有効性を確認するものです。
マイナス思考をプラス思考にするという楽観性を重視するのではなく、状況に即した柔軟性や多様性を身に付けることが目的となります。
うつ病になりやすい考え方の例
□破局的推論:現実的な可能性を検討せずに、否定的な予測をエスカレートさせること
□読心術推論:他者が考えている事を確認もせずに、自分は分かっていると思い込むこと
□個人化の推論:出来事の成り行きや結果を自分のせいだと思い込むこと
□選択的抽出推論:ある特定の事実だけを取り上げて、それが全ての証拠であるように考え込むこと
□トンネル視:出来事の否定的な側面のみを見ること
□レッテル張り:自分や他者に固定的なラベリング(たいてい否定的な)をすること
□全か無か推論:少しの失敗や例外を認めることなく、二分法的に結論づけすること
□すべき評価:自分や他者に対して、常に高い水準の成果を要求すること
ポイント
物の見方、考え方は性格に密着したものなので、すぐに変えることは難しいです。しかし、自分の考え方の特徴に気づき、「自分が楽になれる考え方」をトレーニングによって身に付けることはできます。認知療法は1人でもできますが、カウンセリングの中で心理士と一緒に行うこともできます。興味をもたれましたら、主治医にご相談ください。
22年7月より、集団認知行動療法を開催することとなりました。詳しくは集団認知行動療法を参照ください。
自律訓練法とは・・・自律神経の働きのバランスを回復させる治療法の一つで、体とこころに働きかけ、緊張をほぐしたり体調を整えるのに役立ちます。自律訓練を行うと、気持ちが落ち着き、体がゆったりして集中力が出てきたり、緊張がほぐれたりするといわれています。自分でできるリラックス方法ともいえますね。
始める前に・・・
自律訓練の練習姿勢・・・
寝転んでする場合・・・仰向けになり、自分にあった枕をあてて首に力が入らないようにしましょう。両腕は自然に体の脇に少し離しておき、手の甲を上に向けて関節をこころもち曲げる感じにしましょう。足は少し開いて楽な姿勢になりましょう。
*椅子に座ってやる場合・・・背もたれのある椅子なら体全体でもたれかかる感じにして、両足をゆったりと床につけ、手の甲を上にした両手をそっと太ももの上に置きましょう。背もたれのない椅子なら頭は少し前に傾ける感じにしますが、背筋は伸ばしましょう。
*実際にやってみましょう*
練習時間
練習時間は一回3~5分とし、毎日2,3回ずつ必ず続けます。毎日の生活の中で続けることで、自律神経のバランスを保てるようになってきます。日記やメモにチェックをして、毎日続けていけるようにしていきましょう。最初はなかなか体の感じがつかめないと思うかもしれませんが、焦らずゆっくりやってみてください。
大切な心構え・・・
大切なのは、積極的に注意を向けるのではなく、なんとな~く注意がむかっているといった状態を作ることです。
また、自律訓練法は今回紹介した練習よりさらに進んだ項目もあります。自分ではやってみたけどなかなか難しかったという方、さらに自律訓練を進めてみたいという方は診察時にご相談ください。